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2024年04月23日
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10です。

2013年07月01日
こんにちは。

☆メールくださった方々、ありがとうございます。
文庫とサイト小説にご感想、すごく嬉しいです。これからも頑張りますー!


・イラストをくださるのですか、やったー!
どうもありがとうございます! とっても楽しみです。私もこうしてサイトを作ってはいますが、いんたーねっと社会に未だ慣れていないという事実……キーを打つ速度も遅い…
そういえばこのサイトに置いてるメールだとファイルを送れない気がします。
もしよろしければ、こっちのアドレスに送ってくださると、もれなく私が喜びます。
salry27★ash-map767.riric.jp(★を@に変更)



☆華神10です。
(華神についての詳細は6/8の記事を)


★華神戯譚【霞の世の邂逅編10】

「ここは……?」
 私は茫然と上半身を寝台から起こし、周囲を見回した。
 広い寝室のようだった。
 几帳もどきの衝立で、私のいる寝台側と、入り口側をわけている。派手な装飾の類いはないけれど、天井の梁や柱は立派なものだった。いい匂いがするのは、梁から小さな香炉が風鈴のようにいくつか取り付けられているためだろう。
 寝台側に窓はない。頭のほうに、花蝋が置かれている。
「ぬまごえ様の宮じゃない」
 それに気づいて、一気に恐怖が膨れ上がった。
 ここは人間の住処だよね? どうなってるの、私。
 恐怖に押され、勢いよく寝台から這い出ようとした。その瞬間、左の足首に強い痛みが走った。
「な、なに、この痛み?」
 慌てて自分の足首を確認する。
「私、怪我をしてる……?」
 きれいに布がまかれていて、わずかにじんわりと、血がにじんでいた。
 それを見たとき、記憶が、どっと押し寄せてくる。
「確か散歩の途中で罠にかかったんだ。そうしたら、人間の男の人がきた」
 どういうつもりで私を助けたの?
 ただの親切心からだなんて、とても思えない。早く逃げないと、また前のような怖い目に遭うんだ。
 私はぎゅっと手を握り締め、ゆっくりと這いながら脱出を試みた。


つづく
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