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2024年04月27日
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あれこれ

2020年06月28日
☆お知らせ。
お狐様の異類婚姻譚のコミックスが発売されました。
作者様はいなる様。素敵に描いてくださってありがとうございました。たいへん魅惑のもふもふでした。
特典とか色々あるそうです。雪緒&翁バージョンのイラストとてもかわいい…雪緒がこう、寄り添っているのがかわいい…!
いなる様のお狐様、雪緒たちがとてもかわいいですので、ぜひごらんいただけたらと!
文庫の4巻もそのうち刊行になるかと思います(予定)ので、どうぞよろしくお願いします。


・それと、新書館様のほうで書かせていただいている椅子職人シリーズの続編が次号(8月頃発売)に掲載予定です。
こちらもよろしければ!


☆メールやお手紙をありがとうございました。
お返事できなくて本当に申し訳ない、すべて嬉しく読ませていただいています。
かくりよやサイト小説のご感想、ありがとうございます。

・学生さんが社会人に…、時の流れが早い…!お付き合いくださって感謝です。

・Fを書き始めたとき、限界まで精神(と肉体)を抉り取る内容にしよう!と思っていた記憶があり…

・響に誕祝お言葉をありがとうございました!
リュイはこれから愛憎に塗れて坂道を転がるように病むキャラでありましてな(の予定でした…)…!
ヒーローは響です、リュイはヒロイン。
これはいったい誰得なのだろうかと思ったら負けなんだ。


 
☆ゆるく日常のこと。

・引っ越しの荷物がまったく片付かないため震えています。
組み立てるものがまだ残っていて、さらに震えています。
そしてデスクはあるのに、椅子をまだ用意していない…エア椅子をするしかないのか…

・私のパソコン、いよいよ開けないページが増えてきた…、がんばれ…がんばれ…
大容量転送ファイルとかも開けなくなってきた……、そういうときはソッとタブレットのほうに転送して見てるんだ…

・肉じゃがにたまねぎをいれずとも美味しく仕上がる方法を探しています。
今すごくお腹減ってる…





(F・蘇生させた人々と休憩中のワンシーン)

 休憩中、少しうたた寝してしまったみたいだ。
 ふと、誰かの泣き声が聞こえた気がして、私は目が覚めた。どこかずっと遠くのほうから「助けて」という声が聞こえる。
 ああ誰かがレイムに襲われているんだ。
 そう気づいた瞬間、全身が総毛立つ。
 行かなきゃ。
 今この瞬間、泣き叫ぶ人のために、その一人のために、私はいる。
 助けられないのは嫌だ、間に合わない未来を見るのはもう嫌だ……。
 私は床に置いていたソルトを掴み、立ち上がった。
 出入り口のほうへ急いで駆け出そうとして、「響!」と、後ろから強い力で腕を掴まれた。
 驚いて振り向くと、リュイが困惑と恐れがにじむ硬い表情で私を見つめていた。
「響、いきなりどうしたのです。どこへ向かう気ですか」
「声が聞こえた。泣き声が。レイムに襲われている人がいる」
 だから手を離して、と続ける前に、リュイは視線を落として大きく首を横に振った。
「今はまだ昼の刻ですよ。レイムは現れない。——夢と現実が、綯い交ぜになっているようですね」
「でも」
「声など聞こえません」
「……本当に?」
 私は肩の力を抜き、戸惑いながらリュイを見上げた。……彼の言う通り、どうやら幻聴だったらしい。
「気を張りすぎです、響。こんな調子ではあなたの身が持たない……」
 リュイが、私の肩に両手で触れ、重い溜め息を落とす。私はぼんやりと、俯くリュイの顔を見上げていた。
「……私ではあなたの支えになれないのか」
 リュイが俯いたまま呟く。
 支えてほしいのではなくて、支え合いたい。
 それを口にできるほどの力が、私にはまだ備わっていない。
「リュイがいてくれて、助かってるよ」
 自分に対するもどかしさを背中に隠して、私は精一杯の気持ちを告げた。
 けれどもリュイは、顔を上げず、困ったように微笑むだけだった。
 だから思い切って、リュイの服……お腹あたりを両手でぎゅっと掴み、軽く引っぱる。リュイが驚いたように私を見た。
「本当だよ。嘘なんて言わない。リュイがいて心強いよ」
「……そうですか」
 なにその、警戒する野性の動物みたいな反応。
「本当だよ!」
「そうであればいいですね」
 リュイが頑なだ!
 本当なんだから! としつこく繰り返していたら、近くにいたイルファイに、「響、うるさい」と叱られた。理不尽だと思う!
 でも、不貞腐れる私を見て、リュイがやっと自然な微笑を浮かべてくれたから、よしとしておく。
 あと少しだけ休んだら、さあ、行かなきゃ。
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