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七夕!

七夕ー!
ということでs&sのSS、それと華神の続編です。
お読みいただける場合は、折り畳んでいる記事をクリックください。


★笹良にハッピーバースデーのお言葉くださった方々、ありがとうございました!
笹良がきらきらしつつ喜び回っております。


★イラストありがとうございましたー!とってもかわいいリスカです、きゅんとします!
ふんわりした髪型とか雰囲気が素敵!
えへへ、ラブをありがとうございます。照れます。
中学生さんですか…!ま、目映い……!
リスカを魅力的に描いてくださって、感謝!


★メールくださった方々、ありがとうございました。
小説にご感想、とても嬉しく思います。楽しんでいただけましたら、書き手として本当に幸せ!です。



★日常話。
うぉぉキッチンマット、完成しました。(お言葉くださった方、ありがとうございました!)
これ、何ヶ月かかって仕上がったのか。1キロ以上重さある気がする。
懲りずに2枚目を編もうと思う。再びの細編み砂漠に突入です。
……毛糸、買おうかな。家族にソッと、毛糸がほしいです、と呟いてます。
ネットショップのメルマガ、誘惑すぎる。
でも、マット2枚目の前に、夏のキャップを一個編んどこう。以前の編みかけは気に食わないのでもう一回、編み直す。
しかし私の夏、マット編みで過ぎていくのか…


【7月7日に沈む祈り】……s&s番外。第三者の話。しんみり系です。


 三時限目の休み時間。
 職員室に、六人の少女が呼び出された。
 全員が示し合わせたように眉間に皺を寄せ、きつく唇を結びながら、もじもじと足下を見つめている。
 彼女たちの前には、三時限目の授業を行った教師が厳しい目をして立っていた。
「——聞いているのか? 校則違反だからブレスレットを外せといっているんだ。夏休みが近いからってたるんでいるぞ」
 教師の叱責に少女たちは一斉に身を竦ませたが、ぱっと手を背中に庇い、頑なに拒否する態度を取った。
「いい加減にしろ、学校は遊びの場じゃない! 将来を左右する大事な時期だというのに、おまえたちときたらいつまでもちゃらちゃらと……。受験生の自覚はあるのか?」
 彼女たちは不満そうに唇の端を下げ、さらに俯いた。 
 教師は、無言を貫く少女たちの漂わせる確かな怒り、そして鬱陶しげな気配に、頬を歪めた。
「おまえたち、学校になにをしに来ているんだ! ブレスレットを外せ!」
 低く怒鳴ると、教師は一人の少女の腕を掴んだ。するとその少女が毛を逆立てた猫のように大きく身を揺らし、すばやく腕を振り払った。
 教師を睨む彼女の目がじわりと潤む。他の少女たちも互いの身を守るように抱き合い、教師に非難の表情を向けた。
 教師が口を開くより早く、少女たちの瞳は雨空みたいに涙を落とし始めた。
「うわああん!!」
 職員室中に少女の鳴き声が響き渡り、一瞬、他の音がすべて途絶える。
 さすがに教師が戸惑ったとき、別の教師がそっと手招きをした。
「——先生、先生、ちょっと」
 
 
 少女たちから少し離れた場所で、教師二人がぼそぼそと会話する。
「先生は今年こちらに赴任されたんでしたよね。それじゃあ、うん、ピンとこないかもしれませんよね」
「なんの話ですか?」
「うん、いやね、去年のことなんですけども。うちの女子生徒が行方不明になりましてねえ」
「ああ、そういえば……確か家出をしてまだ見つかっていない生徒がいるとか」
「そうなんですよね。今時の子って、ちょっとね。ほら、何考えているかわからないとこ、ありますから」
「まったく。こっちがなにを言っても、聞いているんだかいないんだか、ろくに返事もしない。しゃきっとしない生徒が増えて、たまりませんよ」
「本当ですねえ。僕もね、時々なにか別の生き物を相手にしている気分になりますよ。思春期の女の子っていうのは、扱いが難しい。……でね、まあ、その、行方不明になった少女のことですが。その子の家族は、頑として家出じゃないって言ってまして」
「そりゃあ、親はそう訴えるでしょうよ」
「いや、そうなんですけども。……あの子たちは、行方不明の少女の友達らしくて」
「はあ?」
「あのブレスレット、いなくなる前の少女と一緒に作ったんだとか。ほら、それでね、先生が学生の時にも流行りませんでした? ミサンガ。切れたら願い事が叶うっていうやつです」
「それが?」
「願掛けしているんですよ、あの子たち。ブレスレットの紐が切れたら少女が帰ってくるって」
「ああ……」
「ね、ですからね。先生、ちょっとだけ見逃してくれませんかね」
「しかし、あの子たちだけ特別扱いは……」
「じゃあ、せめて、今日だけでもいいですので」
 彼はへらへらと笑いながらも、抱き合って泣いている少女たちにすばやく目を向けた。一瞬、痛ましげな色が彼の顔によぎった。
「今日、その子の誕生日なんですよ。僕ね、実はその子が一年の時の担任だったんです」
「先生が?」
 驚く教師に向かって、彼は笑みを消し、厳粛に告げた。
「僕らからすると、今の子たちっていうのは本当に複雑で、まるで薄氷の上に立っているように危うく見えますが。思い返してみれば、少年期っていうのは誰しもそういうものかと。あの子たちは、僕ら大人にはわからない必死さで祈っています。そのひたむきさを尊重してあげるのも教師の責任ではないでしょうか。——秦野も、無事に帰ってくるといいんですけれど」
 

end.





★華神戯譚【秘密の接触編1

 ——ぬまごえ様の住処に無事戻ってからのことだ。
 日が経って、足首の傷が薄れていくのとは裏腹に、私は後ろめたさを深くしていた。
「やっぱり、あの男の人は、親切心で私を助けてくれたんだよね?」
 幻楼亭の一画に設けられた東屋の石段に腰掛け、自分の膝に頬杖をつきながら、ぶつぶつと呟く。
 ここは、地下洞窟にあるぬまごえ様の住処のそばに作った、神様&異形専門バーだ。幻楼亭は住処と違って地上に建てられているけれど、結界を敷いているので、普通の人間はよほど神気が強くない限り立ち寄れない。
 だから、一人でいても安心。あの日以来過保護になったぬまごえ様も、結界内なら好きに歩き回ってもいいって許可してくれた。
 でもしばらくは、お店はお休み。
「うーん、私ってば、助けてもらったのにお礼の一言も言っていない」
 これって非常識かも。
「ちゃんとありがとうって言いにいかないと。でもまだ人間の男は苦手で、顔を合わせるの、怖い……」
 困ったなあ、と頭を悩ませ、ぼんやりと東屋の手前の池を見つめる。
 蓮を浮かべた、美しい五色の輝きを持つ聖なる池だ。そのそばには花の形を模した、ころんとした大岩が二つ、三つ。
「……んんー?」
 大岩の影で、なにか動いた?
 私は、身体が横に倒れるくらい首を傾けて、大岩の影を窺った。
「……くき」
「え?」
 なにかが……黒っぽくて羽根が生えていて、骸骨じみた生き物が隠れてる!
 見たことのある異形と気づき、私は悲鳴を上げそうになった。
「けき」
 間違いない、罠にかかったときに見た異形だ! 私を助けてくれた男性が、確か「椰真」って呼んでいた。
 その椰真が岩の影から顔を出して、寂しげにこっちを見ている。
 悪意は感じない。というか、悪しきモノなら、ここの結界を通れるはずがない。
 それで私はなんとか悲鳴を堪えることができた。
「あなた、椰真?」
 私が呼ぶと、椰真は嬉しそうに「くきっ」と笑い、ふよふよとこっちに飛んできた。
 うわあ、間近で見ると、ますます骸骨系。かなり不気味だけれど、そんなに怖くはない。異形の姿なら、お店にくる神様の大半がそうだし。
「……って、なんで私の背中にはり付くの!?」
「けき?」
 ちょこんと両肩に手を置いて、私の背中にくっついてしまった。ど、どうしよう、これ。
「もういいや……。ね、椰真。あなたは、あの、男性の知り合い?」
 尋ねてから、怪訝に思った。どう見ても異形な椰真と、人間の男が友達なの?
「あの男性、もしかして人間じゃなかったとか?」
 椰真が背中側から不思議そうに私を覗き込んだ。……この至近距離で、人骨仮面をつけたガリガリ痩躯な椰真を見るのはちょっときついな。
「女神の言う人間とは、胡汀のことか? あれは人だぞ」
「女神? 胡汀?」
 おお、少し混乱しそうだよ私。
「女神って私のこと?」
「けき」
「ぬまごえ様も言ってたっけ。私、陽女神の末裔なんだって? 椰真もそういう気配……神気っていうやつがわかるの?」
「……くき」
 なんか切なそうに頷かれた。
「自分じゃよくわからないから……ええと、私はね、知夏っていうの。そう呼んでくれる?」
「知夏。知夏」
「うん。それで、胡汀っていうのは、罠にかかった私を助けてくれた男性のことだよね?」
「くけ。胡汀が、女神を気にしている」
 お願いしたそばから女神呼びされ、少し苦笑してしまった。
「胡汀さんが私を?」
 胡汀さんの姿を脳裏に蘇らせる。
 見た目は、格好よかった気がする。二十代くらいかな? 落ち着いた雰囲気と話し方。だけどどこかに荒ぶるものを隠しているような人だった。
「怪我は治ったのかと。それに、本当に沼神の娘なのか、囚われているのではないのかと」
「それって胡汀さん、私のことを心配してくれてる?」
 びっくりしてしまった。優しい人なんだろうか。
「……やっぱり、お礼を言いに行こう」
 手ぶらでいくのもアレだ。こっちの世界は、お酒好きの人が多いって聞く。神様もだ。
「霊酒を持っていこうかな。でも、胡汀さんがもし、お酒苦手だったらどうしよう」
「胡汀の好物を知りたいのか?」
「椰真、胡汀さんの好きなものを知ってる?」
「隼鉄」
 私は目を点にした。隼鉄って、地底鳥の碁子が原材料の、特殊な鉄のことだよね? 
「……随分、変わったものが好きなんだね」
「胡汀は鉄狩り師だ。蒸槻の都に、聖鉄を奉納している」
「ああ、それで! よかった、隼鉄ならたくさんあるよ。ぬまごえ様の住処の奥に、隼鉄がごろごろ放置されてるんだよね。碁子の化石が地下洞窟にいっぱいあるっていうか……」
 ぬまごえ様も処分に困っているくらいで、どこかに捨てに行こうかって以前話していたくらい。
「椰真、ありがとう!」
「くき」
 私はさっそく隼鉄を取りに行くことにした。……って椰真、背中にはりついたままなんだけれど、まあいいか。
 ぬまごえ様の結界が弾かなかったんだから、これは椰真の渡りを認めているって意味だ。


つづく
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