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2024年04月26日
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こんにちは

2016年11月17日
☆こんにちは。

新作2点などのお知らせ。

富士見L文庫様より、「今日から、あやかし町長です。」が12月15日発売予定です。(告知許可をいただいています)
Amazonさんにも情報が出ていましたが、詳細はL文庫公式サイト様の更新後。


一迅社文庫アイリス様より、「恋と悪魔と黙示録 身代わり聖爵と悪魔のための茨姫」が12月20日発売予定です。
シリーズ8冊目。
こちらも詳しいあらすじなどは後日。


☆それから一迅社文庫アイリス様で10月に発売された、倉下青様の「侍女ですが恋されなければ窮地です」の見本誌をいただきました。
こちらは第4回アイリス少女小説大賞の受賞作品。原稿を拝読しました。侍女ばんざい。胸きゅんで素敵な物語です!


☆それと、ビーンズ文庫様が15周年ということで。おめでとうございます!
フェアの応募者全員サービスの小冊子にて、私も花神遊戯伝の短編を書かせていただきました。
花神を書くのはひさしぶりで嬉しかったです。
応募の〆切は来年の一月末までなので、よろしければ。
あと他にも色々されるようですね。ビーンズ文庫公式サイト様に詳細ページがあります。


☆令嬢鑑定士Webサイン本にお申し込みくださった方々、ありがとうございました!
お名前を書かせていただけて嬉しいです。コメントもありがとうございました。


☆メールやお手紙をくださった方々、とても感謝です!
かわいい贈り物も入れてくださって、ありがとうございます。
新刊やサイト小説のご感想、どれも大切に読ませていただいてます。途中になってしまった書籍版、申し訳ないです。

一部にプチレス。
・乙女ゲームになったら……、ほぼ九割が病みENDルートになりそうな気がry

・Webサイン本、ありがとうございました。こちらこそ嬉しかったです!

・ウヘヘ、L文庫様にてもこっそり書かせていただきます。


☆日常のゆるい話。
風邪がループです。家の者に再びうつされ…
今年は全然編み物ができていませんが、この冬こそは…!



☆小冊子用の花神を書く前に、ひさしぶりだったので、ちょっと感覚を戻すために練習で書いたりしていました。
花神外伝のあとがきでちらっと触れた、おさめきれなかったネタのひとつの、モテる緋剣たち、というやつです。その白雨版。
改稿していないので、誤字等あるかと思いますが、それでもいいよ〜と思ってくださった方は折り畳んでいる記事へ。

【花神SS】
 ある日のことだ。
 帰鼓廷の亭で、胡汀や伊織とのんびり花茶を飲んでいると、やけに深刻そうな顔をした白雨さんがやってきた。
「緋宮……、その、少し相談したいことがあるんだが、いいか?」
「うん。どうしたの? なんでも言ってー」
 白雨さんも亭に上がり、私たちのそばに座った。
 彼女は腕に、小さな包みを持っていた。
「それはなに?」
 尋ねると、白雨さんは眉をひそめて、包みを板敷に置いた。
「最近、見知らぬ神女たちから呪具が届くんだ」
「…………呪具?」
 物騒な言葉に、私だけじゃなく胡汀たちも表情を引き締めた。
 白雨さんは、ゆっくりと包みをほどいた。
 中の品々を見て、私たちは目を点にした。
 どんな怪しい品が出てくるのかと思いきや、上品な作りの櫛や簪、鏡、それから現代でいうメイク道具などが入っている。
「えっと……、神女たちが、これを白雨さんに渡したんだよね?」
 確認する。
 すると白雨さんは、深々とうなずき、重い口調で説明を始めた。
「直接渡されたわけじゃないが。部屋の前にそっと置いたあと、走って逃げていくんだ」
「ねえ白雨さん、これって、呪具っていうより、純粋な贈り物なんじゃ……?」
「そんなはずがない。櫛も鏡も簪も、全部、相手を呪う時に使う道具じゃないか」
「うん、そういう使い方もできるのかもしれないけど、本来の用途を思い出してみよう」
「どう考えても呪具」
 即答か!
「や、でもこの簪かわいいし、櫛だって凝った作りだし! 呪具っぽくないと思うんだ」
「緋宮。私を無理に慰めようとしなくていい」
 白雨さんは、困ったように微笑んだ。
 どうしよう、慰めているわけじゃくて本気で言っているんだけど、全然伝わっていない…!
「ほら、ええと! 神女たちはもしかしたら、白雨さんをかわいく着飾ったりしたいんじゃないかなって」
「まさか」
 真顔で否定された。
「神女たちにはまったく好かれていない。私も、彼女らを冷たくあしらっている自覚がある。だから間違っても、贈り物などされるはずがないんだ」
 自信たっぷりにも言われた。
 ああっ、誤解だよ白雨さん!
 そのクールなところがステキー! と神女のあいだで大評判なんですが!
 緋剣の中で一番人気あるんですよ。
 ……と、前に一度、教えたことがあるんだけれど、「緋宮は冗談が好きだな」とすかさず一蹴されました。
 胡汀と伊織は、なんともいえない顔で白雨さんを見ている。
 彼らは、神女たちが密かに白雨さんに懸想していることを知っている。
 この蒸槻国では、同性もよく恋仲になるから、贈り物は珍しいことじゃない。
「呪い返してやってもいいんだが……緋宮の屋敷に仕える神女もいるようだから」
「な、なるほどー」
 気を遣ってくれたらしい。
 この壮大なこじらせっぷりをどうすれば!
 それにしても白雨さんが日に日に雄々しくなっている。今もがっつり胡座をかいている。
「緋宮、私に神女を斬る許可をくれないか」
「ハイ?」
「おまえの屋敷に、呪いを仕掛けるような危険な女を置いておけない。だが、いきなり私が斬りつけたら驚くだろう?」
「ちょっと待ったー! って胡汀も伊織さんも、こっそり笑っていないでとめて!」
「心配するな、緋宮。私はけっこう剣の腕を上げた。あんまり血しぶきを飛ばさないよう気をつける」
「違う、気をつけるのはそこじゃなーい!」
「わかっている。相手は女人だ、せめて、苦しめずにスパッと首を落とす」
「それもちがーう!」
「苦しめるだけ苦しめたほうがいいということか? ……緋宮がそう望むなら」
 ヤバイ! 白雨さんの思考が完璧、どこかのドSで意地悪で『緋宮大好き』な某緋剣の色に染まってきている!
 胡汀と伊織さんが、「白雨、斬る時は、骨の継ぎ目を狙えよ」とか「初めて斬るのなら、相手を眠らせた方がやりやすいんじゃないか?」とか、面白がってとんでもないアドバイスをし始める。
 白雨さん白雨さん、真剣に聞いてはいけません!
 うちの緋剣ってば、なんでこんなに物騒!?

 とりあえずこの場は、なんとか白雨さんを思いとどまらせた。
 屋敷に戻ってから、神女たちに、白雨さんと会ったらヤラれる前に速攻で逃げて、と警告を出しておいた。
 でも、恋する神女たちの妄想はとまらなかった。
「あの方になら、斬られてもいい……」
「(物理的に心臓を)貫かれたい…!」
「(物理的に)壊されたい」
「(物理的に)痛めつけてほしい」と、うっとりしている。
 どうしたうちの神女たち。ドMですか。
 帰鼓廷で、一方的な殺し愛が始まる前に、私は九支さんに相談することに決めた。でも九支さんは、「それは緋宮の管轄だから」と明らかに逃げた……!
 恋の管理も緋宮の仕事なんだろうか。
 ……転職しようかな、とわりと本気で思った。
 
(終)
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