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新刊お知らせ。

2015年10月21日
☆こんばんは。

もう情報が出ていたようなので、新刊のお知らせ。
11月20日に一迅社文庫アイリス様より「六花爵と螺子の帝国2」が発売予定です。
Amazonさん、画像はまだ入っていないみたい。

・続編です。やったね!
イラストは田倉トヲル様。
今回はロキアス(赤髪)も表紙にいます。
この小説は、隷民少女と引きこもり貴族の男女逆転学園物語です。
内容は、野外授業編。引きこもりヒーローがついに学院の外へ…!といった感じです。
詳しいあらすじは後日に。


☆メールくださった方々、ありがとうございました。
文庫、サイト小説のご感想、どちらも嬉しく拝見してます。お返事できなくてすみません、しかしとても励みになっています。よろしければこれからもお付き合いくださいませ。
階段坂のご感想もありがとうございました!


一部にこっそりプチレス。
・すみません、サイト小説停滞中です。

・サイト小説、どれもかなり時間がすぎてしまったため、最初からじっくり見直さないと整理できそうにない、という理由もあり、なかなか更新できずにいます。

・基本的に、公式サイト様で情報アップされたもの&このブログにアップしたものが、ほぼ発売確定のものです。他はすべて未定です。

・わあ、誕生日にお言葉くださり、ありがとうございますー!(*´∀`*)
こちらこそラブなんだから…!

・s&sやFもなんとかしたいと思いつつ、まだ時間がかかりそうです。

・映画も大好きです。未来の映画人はばたけー!(*´∀`)ノ゚:*☆

・そういえばその小説、どこのファイルにいれてあるのか…! 発掘したら再アップしたいと思っています。

・Fにご丁寧なお言葉ありがとうございました! 色々な意味で普通な子の響、これからもますます鞭展開な予定であったりしますが、救いのあるお話にしたいと思っています。
お気遣いありがとうございます、どうかご自愛くださいませ。

・あっ、ジャックさんだ!(このサイトでは、小説を読んで夜を明かした人を24になぞらえてジャックさんと呼ぶ法則がありry
カズアキさま海賊、格好いいですよね!

・花神一気読み、ありがとうございます!
胡汀と知夏、外伝後、穏やかに暮ら……の前に神々との諍いとか、ちょっとヤンデレになった胡汀が暗躍とか、色々あるようです。知夏の子ども……のあたりも神々の手助けがあったりなかったり。
王になったのちの未不嶺は最強伝説を築きますが、あんな人の裏切りもありとか。
あとがきネタに光栄なお言葉、ありがとうございました。

・実際にどうなるのかはわかりませんが、今の時代、読者さんからのお言葉はとても貴重だと思いますので、お好きな作家さんのお話が読みたい、と思われた時はそちらの編集部に送ってみるのもよいような気がします。その作家さん、ものすごく喜ぶと思います。
私も続編を待ち望んでいる本があります。
それと絶版になっている本で、紙本で手元に置きたい本がいくつもあります。



☆パソコンの前に座っても数行しか書けない時もあり、そんな感じでここしばらく煮詰まっています。
なにか他に気分転換をと思いまして、わんどろみたいな感じで、頭空っぽにして短編を書いてみました。
なぜこんな内容になったのか自分でもよくわからないが、GLっぽいようなラブコメ?になりました。
とりあえず出会い編みたいなアレです。舞台は現代です。
これ、続きもつい考え、女探偵と女子高生助手の悪霊事件簿系な内容になるという。
自分は女探偵ものが大好物です。

と、そういうわけで、出会い編は短くて軽く、ヘンタイっぽいノリです。
読んでみるよ〜と思われた方は折り畳んでいる記事をクリックくださいませ。


☆つれづれ日々。
・編み物、編みかけがいくつか。
ヘアバンド、マルシェバッグ(これはかぎ針)、シュシュ、マフラー2つ。
そしてブランケットがやっと半分まで編めた。アラン模様のおかげで時間がかかる。でも途中で毛糸が尽きてしまいそうな気がする。数年放置していた糸なので、買い足しができぬ。
あと帽子も編みたいんだよなあ。帽子本を買ってそわそわしてます。

【彼女はエリカ女子高生】
◎お疲れ気味な働く女子探偵×美人な女子高生(女×女)
※GL要素があるのでご注意ください。


 目の前の女子高生たち、滅びろ。
 午前八時五八分の電車に乗って、現在時刻は九時きっかり。わずか二分の間に私は「向かいの女子高生マジ滅びろ」と五十回は心の中で呪っている。
 この数日、某食品会社に勤める課長の浮気調査のおかげでほとんど眠っていない。依頼者である妻は離婚一択。慰謝料やらなんやらの問題で協議離婚は難航するだろうから、ひとつでも多く有利な証拠がほしいとのこと。家裁にまでもつれ込んだ場合、とにかく証拠がものをいう。
 なんとしてでも密会場面をおさえないと、後金がもらえない。
 しかし妻だって浮気してんだからクッソふざけてる。それで慰謝料は一千万、最低でも五百万はほしいとか、離婚にどれだけ夢を見ているのか。事務所でその相談を受けた時、危うく口から出かかった「芸能人の離婚と勘違いしてませんか」という言葉を私は真っ黒いコーヒーで喉の奥へ押し戻したのだ。
 世の中は不公平だ。
 結婚できない女もいれば離婚したがる女もいる。
 私は溜息を飲みこんだ。ガタンと電車がかすかに揺れ、次の駅名を告げるアナウンスが流れた。窓へ目をやれば、外の景色はあっという間に流れていく。舌打ちしたくなるほど青い空だった。晴天の日に自殺が増えるっていう話、心からうなずける。
 短大卒業後、私はことごとく就活戦争に破れた。一社落ちるごとに職種なんか選んでいられないと知り、片っ端から履歴書を出しまくった。ところが現実はまったくもって甘くない、鋼鉄の壁のごとしだった。ある日とうとう心が折れた。気がついたらドライヤーをオンにしたままぼうっと一時間座っていたこともある。これはまずいと自覚して、私は少しの間就活を休むことにした。だが無職のままだと一人暮らしは維持できない。そこで、親戚がやっていた探偵事務所の手伝いをすることに決めた。
 気力を取り戻しちゃんと就職できるまで、と固く誓っていたのにずるずると続けるはめになり、いつの間にか四年。今や私は立派に希望も夢もないお一人様人生を突き進んでいる。お一人様はお気楽です、なんて、百パーセント本気で言える女がいたら見てみたい。百パーセント嘘とは思わないが、見栄とか意地とかさあ、そういう感情があるじゃないの。
 たった四年、されど四年。口も性格も悪くなったし皮肉になったし当然不眠気味で鬱っぽくて孤独だ。おしゃれ? なにそれおいしいの? カフェだと? 日本人なら黙って湯呑みで番茶を飲め! 世界から恋とか愛とか本当消滅すればいい。もういっそ結婚したら二年後くらいには必ず離婚する制度でも作ればいい。誰も浮気なんかしなくなる。
 断言できるが、この電車に乗っているやつらの中で最も周辺地区のラブホに詳しい女が私だ、間違いない。ラブホ制覇してるよ、本人ちっとも利用してないくせにな! 
 世の中に不満がありすぎて、話がずれた。昨夜もこれといった証拠を入手できず、こうして疲労の影を引きずったまま朝帰り。せめて事務所のある駅につくまでは眠っていたいのに、目の前の座席に座ってぎゃあぎゃあ騒ぐ女子高生たち、もうさぁ、誰か銃撃してくんないかな。三人で五人分の場所とってんだよ、疲労たっぷりの顔でオマエラの正面に立っている私が見えないのかよ、私は幽霊か? マジ座らせろ! つうかとっくに登校時間すぎてるだろうが。
 胸中で罵った直後、電車が急にガタッと大きく揺れた。掴まっていたつり革から、ずるっと指が離れ、あっと思った時には、大きく前のめりになった。
 まさかの、座席ドンだ。
 座っている女子高生の顔の横に右手をついてしまう。女子高生はめちゃくちゃ驚いたらしくて、目をまんまるにして軽く仰け反っていた。あと少し顔を突き出したら鼻先が触れそうな距離だ。気まずいなんてもんじゃない。
 さっきまでの怒りが一瞬で消えた。女子高生は美人だった。頬は瑞々しく唇はつやつや。ふんわりした栗色の長い髪。こんな濡れた瞳で見つめられたらそりゃ男も落ちるだろう。一方私はというと肌はがさがさ、髪はぼさぼさ。流行遅れの服装で化粧もしてないうえ目の下には濃い隈。レンズの汚れた眼鏡。そもそも死んだ魚の目をしている。
 はっきり言えば、私は怯んだ。自分の汚さと女子高生の美しさとの差が、今すぐ自殺したくなるほど苦しかった。
 私はぼそぼそと口の中で「すみません」と言い、身を起こそうとした。しん……と静まり返っていた女子高生が、いきなり弾けるように笑い出した。
「痴漢かよ!!」
「エリカ、固まってる!!」
「この人、女? 男? すげえわかんないんだけど!」
 女子高生たちの笑い声に、私は中途半端な体勢で硬直した。エリカと呼ばれた美人女子高生が軽く首を捻り、なにを思ったのか、私の腕を強い力で引いた。ああっと思った瞬間には、また鼻先が触れそうな距離に顔が近づいていた。
「……名前は?」
 エリカ女子高生は、ややぶっきらぼうな声で言った。職質されている気分だった。まさか本当に痴漢と疑われいるのか。嘘だと誰か言って。
「名前!」
「あー……ヤマダハナコです」
 周囲の同情の視線を浴びながら私は答えた。同情するだけで誰も助けちゃくれないが。
「ちょ、偽名にしてももっとなんかあるんじゃね!」とエリカ女子高生の友人女子高生たちが爆笑する。
「年は?」
「……二十四です」
 年下の女子高生に敬語を使って萎縮する自分を、あとで殺してやろう。
「どこに住んでんっすか?」
「家に住んでます」
 友人女子高生たちが「ボケんなよ!」とまた笑う。
「結婚してますか」
「とんでもない」
「借金ありますか」
「ないですよ。貯金もないですよ」
「通勤途中ですか」
「朝帰り途中です」
「男、いるんすか」
「いたらこんな時間にこんな格好していると思うんですか、察しろや」
 私はだんだん壊れてきた。厄日に違いなかった。
 エリカ女子高生は、侍みたいに凛々しい目で私を見た。
「わたし藤堂エリカ、十七歳。頭、結構いいです、スポーツ全般得意っす。顔はこんな感じで、まあ、親が会社持ってるんで、わりと裕福な生まれです」
 え、なにこのエリカ女子高生、私に喧嘩売ってるの?
「知ってますか、今日で三日連続ヤマダさんと会ってるんすよ」
 私は眉をひそめた。そこでまだ中腰のままだったと気づくも、エリカ女子高生は手を放してくれない。
「最初に見た日、やべぇ超光速で運命降ってきたと思いました」
「……はあ?」
「あの日、すげぇ混んでたんすよ電車。で、エリカだりぃと思いながら座ってたんすけど。そん時もヤマダさん近くに立ってたんすよね。なんつか、死体でも押しこんでそうな、でけぇ荷物持って」
「いや死体はねーよ」
 ついつっこんだが、エリカ女子高生は回想中で気にしてなかった。
「で、隣に、なんつか、あ、こんな女いるいる、っつう感じのすね、髪くるっふわっの茶っぽくて薄ピンクの清楚なスカートはいてる愛され系の女がいたんすよ。いるっしょ、こういう女」
 ああ、私と対極の勝ち組人生送ってそうな女ね、はいはい。
「この愛され系女がっすね、痴漢あってたんすよ。後ろに、生きてる価値あんのオマエ? っていう四十代くらいのスーツ着た男がいて、なんか尻触ってたんすよね」
 エリカ女子高生は淡々としていながら口が悪い。
「エリカだりぃ時だったから、あと三十秒チャージしなきゃだめだったんすよ。ま、もう次の駅に着く頃だったんすけど。でもヤマダさんが手に提げてたでけぇ荷物をガンッと男の臑にぶつけながら強引に扉のほうへ向かったんすよね。混んでるのに、まわりの迷惑そうな視線、全無視。で、その痴漢野郎がヤマダさんを睨んだんすよ。臑が痛かったみたいっすね。するとヤマダさん、死んだ魚の目ぇして『クソうっぜ、コアラのマーチ目に入れんぞ』っつったんすよ」
 覚えてないんだけど、それ。
「あれ聞いた瞬間、あーエリカ終わった、この人に罵られてぇわ、つか恋しいわ、ってなったんすよね」
 友人女子高生たちが、それ運命だわ! とうんうんうなずいている。
 どうしたらいいの、最近の女子高生っていうか、この子がなにを言っているのかわからない。
「死んでるその目にエタニティラブを感じたんす」
 この子がなにを言っているのか、本当にわからない!
「でもエリカこう見えて結構恥ずかしがりなんすよね。だから直接告白できないじゃねぇっすか。それで、運命と賭けをしてました。三日連続で会えたらこの人エリカの嫁だなって」
 えっ、本当にわからない。わからないよ!?
「親にももう伝えてるんすよ。エリカ付き合いたい人いるわって」
 え……えっ?
「親、年齢差ありすぎなくて離婚歴なくて借金なくて他に恋人いなくてとりあえず普通っぽい人間だったら認めるって」
 いやそれ、性別っていう大事なとこ伝えてなくない? 
 友人女子高生は爆笑した。「すげえ三日目で嫁にした!」「エリカやったじゃん!」「幸せじゃん!」
 エリカ女子高生は、きりっとした顔で答えた。
「皆の友情、エリカ忘れねぇから」
 私は呆然とエリカ女子高生を見た。告白っていうか、すでに嫁前提で喜んでいるんだけど、最近の女子高生たぶん地球人じゃねえわ!
 エリカ女子高生はいそいそと鞄から小さな箱を出した。
「はい、これ」
 思わず受け取った。そして、開けた。
「エリカの三年分の貯金、つぎ込みました」
 私はここが電車内であることも忘れ、全身全霊で叫んだ。
「マジかよ結婚指輪かよ!!」
 ダイヤのついた指輪が、目映かった。
 (終)
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