★華神戯譚【霞の世の邂逅編3】
「あ、秋茶葉になるカンレイ木がある。ううん、でも葉っぱが弱いな……この地区に住む草花の神様って誰だろう?」
カンレイ木の葉を摘みながら考える。
もし、ぬまごえ様と交流がある神様なら、茶葉関係の種を多くつけてほしいって頼めるかもしれない。
「カンレイ木の葉は、なかなか貴重なんだよね。香り高くて、まろやかな味なんだけど淹れ方が難しい……」
抱えていた丸籠を見下ろして、悩む。
「んー…、今日は少しだけにして、数日後にまた摘みにこようかな。まだちょっと摘むには早そう」
今日摘んだ分は幻楼亭では使わず、ぬまごえ様用にしよう。
そう決めて、散策を続ける。
つづく
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